FX・自動売買の用語集
FXと自動売買の記事に出てくる言葉を、実際に運用している立場から短く説明します。制度として決まっている数字(レバレッジ25倍、税率20.315%など)以外は目安で、会社ごとの条件は各社の公式サイトで確認してください。
FXの基本
取引を始める前に意味を確かめておきたい言葉。
FX(外国為替証拠金取引)#
証拠金を預けて、その何倍かの金額の通貨を売買する取引。たとえば米ドル/円を買い、円安(ドル高)になれば利益、円高になれば損失になる。国内では金融商品取引法に基づく登録業者が提供し、個人のレバレッジは最大25倍。
通貨ペア#
売買する2つの通貨の組み合わせ。米ドル/円(USD/JPY)なら「米ドルを円で買う・売る」取引で、左の通貨を右の通貨で値付けする。EUR/USD、GBP/JPY、金はXAU/USDのように表す。
pips(ピップス)#
為替レートの最小単位の呼び名。円が絡む通貨ペアでは0.01円(1銭)=1pip、米ドル/ユーロなどでは0.0001=1pipが一般的。損益やスプレッドを通貨ペアをまたいで比べるときに使う。
ロット(取引単位)#
1回の注文の数量の単位。国内では1,000通貨または1万通貨を1ロットとする会社が多く、MT4・MT5では一般に10万通貨=1.0ロット、0.01ロット=1,000通貨。EAのロット指定と会社の最小取引単位は必ず合わせる。
レバレッジ#
預けた証拠金の何倍の金額を取引しているかの倍率。国内の個人口座は最大25倍(1万円の証拠金で25万円分まで)。倍率が高いほど小さな値動きで損益が大きくなり、預けた証拠金を上回る損失が出ることもある。
証拠金(必要証拠金)#
ポジションを持つために口座に預けておく必要がある金額。取引金額÷レバレッジで決まる(25倍なら取引金額の4%)。値動きで含み損が出ると、口座の有効証拠金が減る。
証拠金維持率#
有効証拠金(残高+含み損益)÷必要証拠金×100%。ポジションの大きさに対して資金にどれだけ余裕があるかを示す。会社が定める水準(例:100%や50%)を下回るとロスカットになる。
ロスカット(強制決済)#
証拠金維持率が会社の定める水準を下回ったとき、損失の拡大を防ぐために会社がポジションを強制的に決済する仕組み。急な値動きでは決済が間に合わず、預けた証拠金を上回る損失(追加入金の義務)が生じることがある。
実効レバレッジ#
口座のレバレッジ上限ではなく、いま実際に持っている建玉の金額が口座残高の何倍かを示す数字。建玉の円換算額÷残高で計算する。実効レバレッジ25倍なら4%、40倍なら2.5%の逆行で残高がなくなる。ロスカットまでの距離を決めるのは口座の上限倍率ではなくこの数字。
ゼロカット#
急な値動きでロスカットが間に合わず残高がマイナスになったとき、そのマイナス分を業者が負担して残高を0に戻す仕組み。海外業者の多くが採用しているが、適用条件や例外は規約で決まっており、法律上の保証ではない。国内業者にはなく、マイナス分は追証として支払う義務がある。
追証(追加証拠金)#
証拠金維持率が一定水準を下回ったとき、または残高がマイナスになったときに、追加で入金を求められること。国内では、ロスカットが間に合わず残高がマイナスになった分は入金する義務がある。「追証なし」をうたう海外業者はゼロカットで対応するが、条件は業者ごとに異なる。
スプレッド#
買値(Ask)と売値(Bid)の差。取引ごとに必ず払う実質的なコストで、米ドル/円で0.2銭なら1万通貨あたり20円。早朝・経済指標発表時・相場急変時には広がる。自動売買は取引回数が多いので、スプレッドの影響が大きい。
スワップポイント#
2つの通貨の金利差に応じて、ポジションを翌日に持ち越すと受け取ったり支払ったりする金額。高金利通貨買いなら受け取り、売りなら支払いになることが多い。会社・通貨ペア・日によって変わる。
約定(やくじょう)#
注文が成立すること。注文した価格と実際に約定した価格の差がスリッページ。相場が速いときは約定拒否(リクオート)が起きる会社もある。
スリッページ#
注文を出した価格と、実際に約定した価格のずれ。相場急変時や流動性が低い時間帯に大きくなる。バックテストでは起きないが実運用では必ず起きるため、成績はバックテストより悪くなる前提で見る。
指値・逆指値#
指値は「この価格以下で買う(以上で売る)」、逆指値は「この価格以上になったら買う(以下で売る)」という予約注文。損切りは逆指値で置くのが基本。EAはこれらの注文を自動で出す。
両建て#
同じ通貨ペアで買いと売りのポジションを同時に持つこと。スプレッドやスワップのコストが二重にかかる。両建てを使うEAは、会社が両建てを認めているか、MT5の口座タイプ(ヘッジ口座かネッティング口座か)を確認する必要がある。
信託保全#
顧客から預かった証拠金を、会社の資産と分けて信託銀行で管理する仕組み。国内のFX会社には法令で義務付けられており、会社が破綻しても顧客資金は保全される。海外の会社は対象外。
自動売買・EA
MT4・MT5で自動売買を動かすときに出てくる言葉。
EA(エキスパートアドバイザ)#
MT4・MT5の上で動く自動売買プログラム。売買ルールをプログラムにしたもので、MT4用は.ex4/.mq4、MT5用は.ex5/.mq5。MT4用とMT5用に互換性はない。自作、購入、無料配布のものがある。
MT4(メタトレーダー4)#
メタクォーツ社の取引ソフト。長く自動売買の標準だったが、開発元は新規提供を終えており、国内でも提供終了が続いている。MQL4という言語でEAを書く。
MT5(メタトレーダー5)#
MT4の後継の取引ソフト。時間足の種類が多く、ストラテジーテスターが高速で、複数通貨のバックテストにも対応する。これから自動売買を始めるならMT5対応口座を基準に選ぶ。MQL5という言語でEAを書く。
VPS(仮想専用サーバー)#
データセンターの中で24時間動く、自分専用の仮想パソコン。Windows版にMT4・MT5を入れ、リモートデスクトップで操作する。自宅PCのスリープ・再起動・回線切れでEAが止まるのを防ぐために使う。
バックテスト#
売買ルールを過去の価格データに当てはめ、「過去にこのルールで取引していたらどうなったか」を計算する検証。使えないルールを除外するための手段で、良い結果が将来の利益を保証するわけではない。
フォワードテスト#
バックテストで決めた設定を、その後の(まだ見ていない)値動きで検証すること。デモ口座で実際に動かす方法と、過去データの後半を「見ていない期間」として分ける方法がある。過学習を見抜く基本の手段。
ストラテジーテスター#
MT4・MT5に内蔵されたバックテスト機能。EA・銘柄・期間・モデル(全ティック、1分足OHLCなど)を選んで実行する。パラメータの範囲を指定して総当たりで試す「最適化」機能もある。
最適化(ゴールシーク)#
売買ルールのパラメータ(移動平均の期間など)を多数試し、成績が最も良くなる組み合わせを探すこと。当サイトのバックテストでは「ゴールシーク」として提供。過去に最も合った設定が出るだけなので、期間を分けた確認が必須。
過学習(カーブフィッティング)#
売買ルールが過去の値動きに合いすぎて、将来の相場では機能しない状態。パラメータを増やす、短い期間だけで最適化する、純利益だけで選ぶ、といった行為で起きやすい。期間を分ける・近い値でも崩れないかを見る、で防ぐ。
マジックナンバー#
EAが自分の出した注文を区別するためにポジションに付ける番号。同じ口座で複数のEAを動かすときは、必ず別の番号にする。重複すると、他のEAの注文を決済してしまうことがある。
ティック#
価格が更新される最小の単位。1分足の中にも多数のティックがある。バックテストで「全ティック」モデルを使うと精密だが時間がかかり、「始値のみ」は速いが足の途中の値動きを見ない。
ヒストリカルデータ#
過去の価格データ。MT5のストラテジーテスターは取引会社のサーバーから取得するため、会社によって期間の長さや欠けが異なる。長期のバックテストにはデータの長い会社のデモ口座が使われることがある。
リピート系注文(リピート型自動売買)#
「○円ごとに買い、△円上がったら売る」という注文群を自動で繰り返す仕組み。トラリピ、ループイフダン、トライオートFXなどが代表例。一定の範囲を上下するレンジ相場に向き、範囲を外れて一方向に動くと含み損が膨らむ。
選択型自動売買#
会社が用意した売買プログラム(ストラテジー)を選んで自分の口座で動かす仕組み。シストレセレクト365、みんなのシストレなど。過去成績のランキングで選びがちだが、成績の期間と最大ドローダウンを見る。
ナンピン#
含み損のポジションと同じ方向に追加で買い(売り)増し、平均取得価格を有利にすること。相場が戻れば一気に利益になるが、戻らなければ損失が加速する。ナンピン型のEAは資産曲線がきれいでも、1回の大きな逆行で資金を失うことがある。
マーチンゲール#
負けるたびにロットを倍にして、1回の勝ちで取り返そうとする手法。勝率は高く見えるが、連敗が続くと必要資金が指数関数的に増え、証拠金が尽きる。EAの販売ページで勝率90%超をうたうものはこの型を疑う。
ピラミッディング#
含み益が出ているポジションと同じ方向に、前回より小さい数量を追加していく手法。追加するたびに全体の損切り(逆指値)を引き上げ、逆行しても建玉全体がプラスか建値で終わるようにするのが前提。損切りなしで追加するのはピラミッディングではなく、単に賭け金を増やしているだけになる。ナンピン(含み損の方向に追加)とは逆の考え方。
損小利大#
1回の損失を小さく、1回の利益を大きくする考え方。勝率が5割を下回っても、平均利益が平均損失より十分大きければ合計でプラスになる。トレンドフォロー型のルールに多い。
リスクリワード比#
1回の取引で狙う利益と、許容する損失の比。利確幅30pips・損切り幅10pipsなら3。勝率とセットで見る指標で、勝率×平均利益−(1−勝率)×平均損失がプラスかどうかが期待値になる。
成績の指標
バックテストや運用実績を読むときの数字。
勝率#
決済した取引のうち利益が出た取引の割合。勝率だけでは良し悪しは分からず、平均損益比(勝ちの平均÷負けの平均)とセットで見る。勝率80%でも1回の負けが大きければ合計はマイナスになる。
プロフィットファクター(PF)#
総利益÷総損失。1.0を超えればその期間はプラス。1.1程度ではスプレッド拡大やスリッページで簡単にマイナスになる。極端に高い値(2〜3超)は、取引回数が少ないか過学習を疑う。
最大ドローダウン(最大DD)#
資産が直近の最高値からどれだけ落ち込んだかの最大値(金額または%)。同じルールを使い続けるときに覚悟しておく一時的な落ち込みの目安で、実運用ではバックテストの1.5〜2倍を見込む。純利益より先に見る数字。
リカバリーファクター#
純利益÷最大ドローダウン。落ち込みに対してどれだけ稼いだかを示す。同じ純利益なら、ドローダウンが小さいほうが続けやすい。候補の設定を比べるときの並べ替えに使える。
平均損益比(ペイオフレシオ)#
勝ちトレードの平均利益÷負けトレードの平均損失。1.0なら勝ちと負けの大きさが同じ。勝率と掛け合わせて期待値を判断する。
期待値#
1回の取引で平均していくら儲かる(損する)か。勝率×平均利益−負け率×平均損失。プラスでなければ取引回数を増やすほど損をする。スプレッドと手数料を引いた後の値で見る。
資産曲線(エクイティカーブ)#
資産評価額(残高+含み損益)の推移をグラフにしたもの。右肩上がりでも、1〜2回の大勝ちだけで作られた曲線や、長い横ばいの後に急上昇する曲線は再現性が低い。月別の成績と合わせて見る。
シャープレシオ#
リターンのばらつき(標準偏差)に対して、どれだけのリターンを得たかを示す指標。値が大きいほど、同じリターンを少ないブレで得ている。期間や計算方法で値が変わるため、同じ条件で比べる。
商品・サービスの種類
FX以外の取引や、関連サービスの言葉。
CFD(差金決済取引)#
株価指数・金・原油・個別株などを、現物を持たずに価格差だけをやり取りする取引。FXも通貨のCFDの一種。証拠金取引なのでレバレッジがかかり、FXと同様に預けた証拠金を上回る損失が出うる。
ノックアウトオプション#
あらかじめ決めた価格(ノックアウト価格)に達すると自動で取引が終了するオプション取引。最大損失が取引開始時に確定するのが特徴。国内ではFX・CFDと同じ会社が提供していることが多い。
くりっく365(取引所FX)#
東京金融取引所に上場しているFX。会社と相対で取引する店頭FXに対し、取引所を通して取引する。シストレセレクト365はこの市場で動く選択型自動売買。
XAUUSD(ゴールド)#
金(Gold)の米ドル建て価格を取引する銘柄名。CFDとしてFX口座やMT5で扱われる。値動きが大きく、1日の変動幅が通貨ペアより大きいため、同じロットでも損益が大きくなる。当社が自動売買で扱っている銘柄の1つ。
暗号資産CFD#
ビットコインなどの暗号資産を、現物を持たずに価格差で取引するCFD。土日も取引でき、国内の個人のレバレッジは最大2倍。現物取引(取引所で実際に買う)とは税金・保管の扱いが異なる。
プロップファーム#
デモ環境で一定のルール(利益目標・最大損失)を達成したトレーダーに、仮想資金での取引を任せ、利益の一部を報酬として支払うサービス。参加には有料プランの購入が必要で、ルール違反で失格になる。
税金
国内FXの利益にかかる税金の言葉。
申告分離課税#
国内FX・CFD・くりっく365の利益にかかる税金の方式。給与などと分けて税率20.315%(所得税15%・住民税5%・復興特別所得税0.315%)で課税され、確定申告が必要。海外FXや暗号資産の現物取引は雑所得の総合課税で、税率が異なる。
損益通算#
同じ区分の中で利益と損失を相殺すること。国内FXの損失は、同じ申告分離課税の先物取引等(CFD・くりっく365・商品先物など)の利益と通算できるが、株式や給与とは通算できない。
繰越控除#
その年に通算しきれなかった国内FXなどの損失を、翌年以降3年間にわたって利益から差し引ける制度。損失が出た年も確定申告をしておく必要がある。